日本では人手不足が深刻化する一方で、サービスの高品質化やスピードアップが求められ、それを担う人材を確保するために人件費が増大しています。
いかに少ない人数で事業を運営し、いかに生産性を上げるかが課題になっています。
そのため、企業においては既存のワークフローを見直し、業務効率の改善と、少ない人数でもスムーズに業務を運営していける体制づくりが求められています。
・ワークフローとは
ワークフローというとパソコンを使ったシステムをイメージされる方も多いかもしれません。
ですが、そもそもはシステムを使った一連の作業に限らず、アナログでの業務も含めた企業における一連の業務の流れや手順のことを指します。
企業によって部署ごとや業務ごとに作業の流れがマニュアル化されていたり、マニュアルはなく、OJTや業務の引き継ぎなどを通じて業務のやり方が慣習化されていたりするケースが少なくないでしょう。
日々のルーティンワークの流れをはじめ、上司への報告や上層部署に決裁を受けるための決裁フローや書類の流れなどもワークフローの1つとなります。
また、近年ではIT化が進み、多くの業務をパソコンや専用のシステム、ネットワーク環境などを通じて行うことが増えてきました。
こうしたワークフローのことを、ワークフローシステムと位置付け、業務の効率化を図るネットワーク上で行えるソフトウェアとして運用している企業も多いことでしょう。
・紙の書類で運用するワークフローの改善すべきポイント
創業が古く小規模な中小企業などでは、まだIT化が進んでおらず、事務作業や決裁は基本的に紙ベースで行っている企業も少なくありません。
また、規模が大きく、若い世代も多く働く企業であっても、書類の作成などはパソコンで行いながら、いざ決裁に回したり、重要事項などの案内をしたりするには紙の書類を回して、決裁印や回覧印などを押印していくというアナログなスタイルをとっている企業が意外に多いものです。
こうした紙ベースでのワークフローの問題となる点はどんなところでしょうか。
1つには印刷の手間がかかり、紙代やコピーを使う電力などのコストが発生することです。
2つ目としてはもう1つは、書類ごとにどのようなルートで決裁を受けるべきかを検討したり、承認者を調べたる手間がかかるほか、他部署や他のフロアへと書類を届けたりする手間もかかります。
営業所や支店から、本店や本社まで回す必要がある書類は社内便を使ったり、急ぎの書類はバイク便を依頼したりするなど、手間も時間もコストもかかるのが問題です。
書類のやり取りに時間がかかって、1つの事業やプロジェクトを実行するにもタイムラグが生じてしまうのもデメリットです。
承認者が忙しくて決裁が回らない、出張などで不在の間、承認を求める書類が山積みされるなど承認が滞る可能性もあります。
さらに承認、未承認を分けるための決済箱の用意やファイリングなどの手間がかかるほか、急ぎの案件を大量の書類から検索するのに時間がかかる、書類が流れていく過程で紛失したり、どこかで滞ったまま忘れられたりするなどヒューマンエラーが起こりやすいのも問題ではないでしょうか。
・業務効率化を実現！ ワークフローを改善するメリット
こうしたアナログのワークフローの問題点を改善するには、システム化されたワークフローの導入が1つの解決策になります。
ペーパーレス化で紙代やコピーにかける光熱費などのコストが削減でき、二酸化炭素の排出量もカットできますので、て環境に優しい企業としても貢献できます。
システムを使ってネットワーク上で決済ができるようになれば、書類の処理漏れや紛失の防止にもつながり、承認完了までの時間もの短縮されます。これにより、て、ビジネスチャンスを逃さず、スムーズな業務運営や新プロジェクトのスタートが切れるようになるでしょう。
紙の書類では承認が複数必要な場合に、今どこまで回っているのか分からないとか、支社から本社に到着したか不安といった問題も残ります。これに対し、システム化されたが、ワークフローシステムでは進捗状況の見える化も図れるので、お互いに安心でき、急ぎの案件の承認催促最速もしやすくなります。
・ワークフローを改善する方法
アナログで手間も時間もコストもかかるワークフローの改善には、ワークフローシステムを導入して一連の手続きを電子化するのが一番スムーズです。
設備投資などの関係でシステムの導入がすぐには難しい場合には、まずは書類を短時間で作れるようフォーマットを用意するか、承認のショートカットなど本当にその人やその部署の承認や回覧が必要なのか、フロー自体の見直しを図っておきましょう。
それをベースにワークフローシステムに落とし込めれば、より効率化が期待でき、システム導入後の運用もスムーズです。
・ワークフロー改善の障壁と解決策
慣れ親しんだワークフローを変更したり、システムを導入するとなると、中には職場でかえって余計に混乱するのではないかとと不安になったりが起こったり、現場の抵抗が障壁となるケースもあることでしょう。
ですが、手間やコストが削減され、時間の短縮ができるメリットを分かりやすく説明することで同意形成がしやすくなります。
特に承認作業の見える化や承認にかかる時間の短縮化は現場のスタッフも望んでいたニーズと一致し、メリットを感じてもらいやすい点です。
現場の声に配慮し、て抵抗感が少ない定番の決裁から段階的に導入する方法もありますしをはじめ、逆に一気にトップダウンで切り替える方法も考えられますので、企業のスタイルに合わせて検討しましょう。
結び:紙の書類をカットしてワークフローを効率化させよう
人材不足やコスト増の問題を抱える企業が多い中、ワークフローを改善することでコスト削減や業務効率化が実現できます。
ワークフローの見直しには社内から抵抗を受ける場合も考えられますが、まずは紙の書類を減らすことからスタートしてみましょう。
