電子契約のコラム
e文書法の制定や改正などに伴い、文書のデータ化とデータ保存の動きが加速しています。
もっとも、データは容易に改ざんできるリスクもあるため、契約の当事者であっても、AとBで保管している契約書類に齟齬が生じるリスクが少なくありません。
そこで、当事者以外の第三者機関に認定タイムスタンプを付与してもらうことで、取引の安全性や改ざんの防止、契約の証拠能力の確保を図ることがろうと推進されています。
認定タイムスタンプとはどのようなものなのか、確認していきましょう。
タイムスタンプはとは、書類のを作成した者やその他のの人関係者が、その書類がある時点で存在していたことを電子的に示す電子的に証明する手段です。
ですが、パソコンやソフトによって微妙に時間がずれてしまったりうリスクや、悪意ある人がデータを改ざんのうえのうえ偽のタイムスタンプを付与するなどのリスクも考えられます。
そこで、書類の作成者やを作成したり、書類に関連したりする当事者関係者とは異なるではない、利害関係のない第三者、かつ、一定の要件をクリアしたことを信頼ある機関に認定された信頼のおける業者にタイムスタンプを付与してもらおうというのが認定タイムスタンプの制度です。
タイムスタンプは、ある電子データがある時点でに存在していたことを証明し、かつ、その時点から改ざんされていないことを証明できる電子的な時刻証明書のことです。
認定タイムスタンプは一般財団法人日本データ通信協会が総務省のタイムビジネスに係る指針などを踏まえて創設した制度で、同協会が運用するタイムビジネス信頼・安心認定制度のもとで、協会の認定を受けた時刻認証業務認定事業者によって付与される正確で改ざんリスクのないタイムスタンプのことを指します。
認定タイムスタンプはe-文書法や電子帳簿保存法など対応しており、中でも国税関係書類のスキャナ保存制度では認定タイムスタンプの付与が求められるなど、第三者による信頼ある時間証明が求められています。
一般財団法人日本データ通信協会では総務省の指針を踏まえた制度として、協会が定める厳格な審査基準に適合した時刻配信業務もしくは時刻認証業務を実施する者を認定するタイムビジネス信頼・安心認定制度を2005年2月から運用しています。
認定タイムスタンプは厳しい基準をクリアして認定を受けた時刻認証業務認定事業者により発行されるタイムスタンプです。
どのように付与されるのか、基本的な流れを事例をもとに分かりやすくご紹介します。
たとえば、Aが紙べベースの資料を電子化したり、最初から電子データとして作成したりしたうえで、自社で所有するシステムの時計を用いて時刻情報を付与して保管した場合、後日、その書類を確認したBはその書類の時刻情報が適正なのかが分からず、Aが改ざんをしているかもしれないという疑いさえ持ってしまいます。
こうならないようにAは作成した電子データに対して、時刻認証事業者にタイムスタンプの発行を要求します。
時刻認証事業者は電子データに付与されたタイムスタンプの時刻以降、電子データに改ざんがないことを証明して、認定タイムスタンプを発行します。
Aが電子データを作成した直後に、第三者である時刻認証事業者にタイムスタンプを付与してもらって保管をしておけば、後日、そのデータを利用したいBは時刻情報が正確であることを時刻認証事業者に確認して検証ができます。
認定タイムスタンプで証明されているので、Bの確認がAの作成時点から数年の月日が流れてしたとしても改ざんされていないことが検証できる仕組みです。
タイムスタンプは時刻の狂いのない正確性と、改ざんなどのリスクを徹底的に防止できるものでないと電子契約の信頼の根幹が揺らぎかねません。
そこで契約当事者以外の両者に何ら利害関係のない中立で公正な第三者機関による認定タイムスタンプが必要になるのです。
A社からB社に契約書などが送信された場合、同じ書類を保持しているはずなのに一方の会社の時間管理が正確でなく、タイムスタンプの時刻がずれてしまい、後日、取引上のトラブルが発生するおそれ虞があります。
さらにいずれかが悪意を持って自社にの有利な内容に契約内容を改ざんし、時刻をずらすなどの偽造工作を行った場合にも、改ざんをされた方は不利な状況に追い込まれたり、損失が発生したりするリスクがあります。
こうしたリスクを防止するために、書類の作成について「いつ」「何を」「誰が」行ったかを明確にし、それを証明するために当事者以外が正確性や改ざんされていないことを証明してくれるタイムスタンプや電子署名が重要になってくるのです。
契約書をスキャンして電子データとして保管しても、それだけでは改ざんのリスクを疑われて証拠力が発揮できません。
証拠能力を高め、契約業務や書類における正確性の検証作業などの手間を軽減して業務の効率化を図るためにも、認定タイムスタンプや電子署名など第三者機関などを通じた信頼ある電子化システムの構築がおすすめです。