電子契約のコラム

【クラウドスタンプ公式】文章電子化のよくある疑問にお答えします! 電子印鑑の効力とは?


日本では紙による契約書文化とともに、印鑑文化があります。
契約など大切なことには印鑑を押すのが基本で、その種類やグレードも様々あります。
一方で、近年は契約の電子化やデータ保存などが推進されています。
そこで、従来の印鑑に代わるものとして注目されている電子印鑑について、どんなものなのか紹介していきたいと思います。

電子印鑑とは

電子印鑑とは書面がPDF化されるように時代が進んできたことで、これまでの印鑑をデータ上でも使えるようにしようと開発されたものです。
従来の印鑑メーカーやハンコ屋さんなどが中心になって開発をしています。
実印などを作ると印影が複雑で、他の人とはかぶらないように彫刻してくれたりしますが、それと同等の機能をデータ上の印鑑にも持たせようと開発されました。
メーカーや作成者の意図としては、ほかにはどの印影の画像はなく、その人やその会社だけのものだとアピールしています。
もっとも、それを見た契約の相手方などは、それが本人やその会社のものなのか、他の画像とどう違うのかは一概にはわかりません。
そこで、電子印鑑を提供するメーカーなどが捺印された電子印影に対して、誰がいつ捺印したかという情報を埋め込んで、契約の相手方などが偽造されたものなどではないことを確認することができる機能やサービスが用意されていることもあります。
この点、気をつけてほしいのは電子印鑑は電子契約で導入が求められる電子署名とは違うということです。
電子署名は従来の印鑑文化になぞらえるのならば、実印にあたるものです。
そのため、印鑑証明書にあたる電子証明書が必ずセットで発行され、相手方はそれが本人の意思で行われたものであることや、偽造ではないことを確認できる仕組みが構築されています。

そもそも会社印鑑の役割とは

近年は契約の電子化なども進んでいますが、まだまだ紙の契約書も多く利用されており、そこでは印鑑が大活躍しています。
会社を設立したり、運営していくうえでは様々な種類の印鑑を作成したり、日々使っていると思いますが、どんなものがあるのか改めて確認しておきましょう。

代表印

代表印は会社の実印とも言うべきものです。
会社を設立する際には法務局での法人登記が必要ですが、その際に必要になるので、必ず作成する必要があります。
会社名や代表者の役職名などが入るので、サイズも大きめになり、印影も複雑化します。
重要な契約などで使用する際には、ただ代表印を押すだけでは足りず、それが本物の代表印であることを証明するために、法務局から法人の印鑑証明書を取得して添付しなければなりません。
個人が役所に印鑑登録をするのと同様、法人登記の際に代表印を登録し、取引などの都度、必要に応じて証明書を発行してもらうのです。
そのため、個人が引っ越しをした場合と同様、会社の本店所在地を変更したりすると登録のし直しが必要です。

銀行印

銀行印は銀行取引において使うための印鑑で、銀行では登録された印鑑の印影を確認して、会社がその意思でお金を引き出したり、借りたりすることを認めるために使います。
小切手や手形などを振り出すときにも必要です。
なお、銀行ごとや信用組合など利用する金融機関ごとに別の印鑑を使ってもかまいませんが、あまり細かく分けると混乱し、管理も難しくなります。
印影は他の人に勝手に資金流用をされたり、借り入れをされたり、小切手などを使われないよう、偽造しにくいものが安心です。

角印

角印とは会社における認印のようなもので、会社の印鑑証明書を要求されないちょっとした契約の契約書や見積書、領収書などに押すために作る印鑑です。

ゴム印

木彫りや象牙などで作られる高級な代表印や銀行印などと異なり、ゴム版に印字をするものです。
一般的には会社の住所や電話番号、社名などを彫って、日常的に気軽に押せるように用意します。
会社の業務で大量に書類などを発送したいという場合、封筒に予め住所などを印字する方法もありますが、それほどの機会がないといった場合に、ゴム印があれば、ポンポン、住所や会社名を押せます。
また、領収書などに住所や会社名を手書きする手間も省けて便利です。

電子印鑑の法的効力

書面に押す印鑑、データに押す電子印鑑は書面とデータという違いはありますが、意味合い的には同様の機能を果たしています。
そもそも、印鑑を押すのは日本における商慣習であり、契約の効力と直接つながるものではありません。
海外においては印鑑文化はなく、自署によるサインが基本です。
そのため、海外の企業との取引では印鑑ではなく、代表者もサインをするのが通例です。
電子印鑑の法的効力をより高めたいと思うのであれば、電子印鑑にセットして電子署名を添付したいところです。
電子証明書が発行されるので、印鑑文化で言えば、電子印鑑という角印に加えて、代表印という実印を押した意味合いになるからです。

電子印鑑のリスク

電子印鑑は書類のデータ化にあたって、日本の商慣習である印鑑文化を反映させることができ、取引の相手方には安心感を与えるかもしれません。
ですが、あくまでも印影を画像として貼り付けただけで、通常の印鑑と同様に印影の偽造のリスクや勝手に流用されるリスクが存在しています。
電子印鑑の法的効力の章でも触れたように、より安心できるのは電子証明書が発行される電子署名です。

印鑑文化から電子印鑑へシフトするには

今の時代には企業においてペーパレス化や電子化の動きが推進されていますが、電子化といっても様々な対応レベルがあります。
紙の書類を用いて印鑑を押し、スキャンして保存する、領収書や見積書をデータで作成して電子印鑑を押して発行する方法、そして、より安全性や確実性が高まる電子署名を付した電子契約の導入も考えられます。
より高度な電子化を目指すなら、電子署名と電子契約の導入がおすすめです。

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