契約書は、法令上で長期の保管が義務付けられており、保管スペースに困っている会社は少なくありません。また、ビジネスのスピード化や効率化が求められる中で、セキュリティに配慮しながらも本社だけでなく、支社や営業所、出張先や営業先などの社外でも契約内容のチェックなどをしたいというニーズも増えています。契約の成立から保管、管理までスムーズかつ安全にできる方法はないのか、今注目のクラウドサービスに注目してみましょう。
契約書はクラウド環境で保管可能
クラウド環境はインターネット上でデータを管理、共有できるシステムであり、セキュリティ体制を構築したうえで便利に利用できます。契約書についても電子契約化を図り、紙の契約書をスキャニングしてデータ化したうえでクラウド環境での保管や閲覧、管理などをすることが可能です。
契約書管理をクラウドで行うメリット
では、契約書をクラウド環境で管理することにどのようなメリットがあるのか、以下で見ていきましょう。
コスト削減
一つ目のメリットとして、保管コストの削減が挙げられます。契約書は法令により、税務関係の法制度では7年間、会社法においては満期を迎えた契約や解約された契約についても契約終了後10年間の保管が義務付けられています。また、一部の重要書類については永久保存が求められるケースもあります。
年間の契約件数だけでも大量の紙の書類が発生するわけですが、それを長期にわたって保管しなければならないとすれば、保管スペースの確保が必要です。社内のキャビネットや書庫だけでは足りなくなり、特別に倉庫を借りるなどしなければならない会社もあることでしょう。部屋を確保したり、倉庫を借りたりする費用、キャビネットを購入する費用、契約書を整理するためのフォルダやファイルなどの購入コストもかさんでいきます。
紛失や盗難がないように施錠管理をするコストや、火災リスクや地震などの自然災害から守るために、書庫スペースの耐火性や耐震性を強化するなど、紙の契約書を安全な状態で長期保管するには多くの保管コストがかかるのです。クラウド上で管理ができれば、専門業者によってサーバーなどを安全に運用することや分散管理することで安全性も守られ、保管スペースや管理のコストはカットできます。
契約締結の期間の短縮
紙の契約書を使う場合、自署、押印といった手間や書類の記入漏れなどによる不備のリスク、印鑑証明書の取得の手間や時間などがかかるほか、対面の場合には取引先に訪問する往復の時間や契約手続きの時間がかかります。また、郵送でのやり取りの場合、書類の発送から到着までの時間と、返送されるまでに大きなタイムラグが生じます。
契約相手の中にはすぐに返送してくれる人がいる一方、郵送物の確認が遅れて契約書類が放置されたり、必要書類の準備などに戸惑ったり、書類を見ている時間がないなどで、なかなか返送されてこないケースも少なくありません。さらに、そのまま放置されて契約書の使用期限が切れる場合や返送されないまま契約が流れてしまうケースもあります。
電子契約を導入して電子署名を利用すれば、最短で数分での契約成立が可能となります。印鑑証明書なども不要で、不備のリスクも減少し、契約期間の成約率や手続きの短縮化が図れることで、契約高もアップすることが期待できるのです。
検索性の向上
クラウド環境で契約書を管理することで、パソコンやタブレットなどの端末とインターネット環境さえあれば、いつでも、どこからでも契約書を検索して、閲覧や確認が可能となります。もちろん、セキュリティ体制はしっかりと整備し、利用できるスタッフの範囲も自社で決めたうえ、専用のIDやパスワードを用いてのアクセスとなります。閲覧履歴なども確認できるので、悪用のリスクもありません。
これまではいちいち本社に照会して契約書類の確認をし、大量の保管書類の中から探し出す手間がかかっていたのが、スピード化と安全な確認体制が実現され、業務効率のアップに繋がります。
システム運用の負荷削減
クラウドサービスはセキュリティ体制も整った専門業者のサービスを利用できるので、自社でサーバーや専用のシステムなどを整備する必要もありません。そのため、低コストでの導入が可能であり、メンテナンス費用などもかかりません。トラブル発生時の対応から、書類を守るセキュリティ体制の構築まで全てお任せできるので、信頼ある業者さえ探せれば安心です。
クラウド化のメリットを最大化する電子契約書の導入
クラウドサービスを有効活用するためには、契約の電子化がおすすめです。電子署名と電子契約書を導入することで、契約成立までの期間の短縮や成約率のアップ、人件費や作業の手間のカット、保管コストの削減などが期待できます。電子契約では収入印紙もカットできるので、印紙コストも不要となります。契約書類の印刷や製本、発送、スキャニングなども不要になりますから、業務の効率化をはじめ、印刷代や製本費用、郵送代や人件費を削減できるメリットもあるのです。
クラウドで契約書を管理して契約スピードのアップや管理コストの低減を図ろう
契約の電子化と電子署名の導入を行い、クラウド上で契約書の管理を行うことができれば、収入印紙や印刷代、郵送費用、保管スペースの確保や保管費用などのコスト削減にも繋がります。
最小限の人材で人件費を抑えながら、スピーディーな契約の成立を実現できることで、企業収益のアップにも繋がることでしょう。
